心ってどこにあるの?

あらすじ

友だちとケンカしたゆっぴー(中学生)は、ケンカしたあと胸のあたりがチクチクするって母に相談します。「心が痛んだのね」と母から言われると…「あれ? やっぱり心って胸にあるの?」 心がどこにあるか、いろんな人の意見に触れていきます。
  • 心についてそれぞれの意見が出ていたね。どんな意見が出てた?
  • その意見の中で自分の考えに近いものはある? 理由は?
  • 心はどこにあると思いますか?
  • 動物にも心ってあるのかな? その理由は?
  • もし心がなくなったらどうなる?
  • 心って見える? それとも見えない?
  • 友達や家族など、相手の心を読むことはできる?
  • もし死んだら、心ってどこにいくの??
今回のテーマは「心はどこにあるの??」。とても哲学的ともいえるこのテーマですが、結果的に対話の内容は大人の認識をはるかに超えた興味深いものとなりました。
私たちの試みでは、胸・頭からはじまり、痛覚があるから身体中という意見もあれば、ぬいぐるみなど自分の心が宿るモノがあり、身体の外にもあるという意見のそれぞれに分かれました。その上で、人間のみ心はあるのか、それとも動物にも心があるのか、という話に展開していきます。
印象的だったのは、心は誰も見たことがないので、「もし身体の中にあるならば…」、「もし動物に心がないならば…」など仮定形の問いかけを子どもたち同士が発話し続けたことです。心の有無の可能性について、本当に手探りで、自分たちがこれまで見聞きしたり体験した経験を事例にして、出し合いながら証明をしようと話し合っていきます。
蝕知不可能でまったく形而上学的なテーマでしたが、子どもたちは十分に話し合うことができる、という確信を得られたテーマだったと思います。
F=ファシリテーター(指導者)
C=子どもたち それぞれの発言を指します。

F:動画をみてもらいましたね。それぞれどんな考えがでていた?
C:頭にある
C:胸にあるのだと思う。
C:体中。痛みを感じたりするから。
C:モノにも心が宿る。

F:心ってどこにあるの??
C:心臓のうらっかわ
C:胸。ドキドキしたり、チクチクしたりするから。
C:脳みそと、心臓。2つある。
C:足もぶつかったら痛いって思うから足にもありそう。
C:(宙を指さして)そこらへんにある。

F:そこら中にあるって誰の心なの?
C:自分の心も人の心も。 C:体の外にあるっていうけど、身体の中に心はあるんじゃないかな?
C:自分の思いとか考えがそれぞれにあるから、身体の中にあると思う。
C;身体の外にも中にもあると思う。どっちにも出るんじゃないかな?
C:それは見えるんですか??

F:心は身体の中の説と外の説がある??
C:心がもし身体の外にあったら、心が風でヒューって飛んでっちゃうかもしれません。
C:心の中には、自分の思い・感情が詰まっているから、やっぱり中、自分の外にはいかないと思う。
C:風で飛ばされるって言ったけど、身体の中にあっても台風とかで身体が飛んだら結局飛んじゃったりする。おんなじだと思う。
C:でもどんなに身体が小さい人でも風では飛びません。 C:今出ている話は空想だと思う。もし心が風で飛ばされちゃたら身体から気持ちがなくなっちゃって、全体真っ白。なにも考えられないスッカラカンな人間が生まれちゃうから違うと思う。

F:心が外にある説がわかる人はいますか??
C:心が外にあるなってのがわかるときがあるときがある。たとえばキンチョウしている自分がいて、それを外から見ているもうひとりの自分がいるっていうようなとき。
C:それ証明するの大変。
C:というか、そもそも心ってあるの??
C:心があるって思う人、手をあげてください!
<全員が手をあげる>

F:みんなの意見では、どうやら心は「ある」らしいね。
C:さっきもう一人の自分がいるっていったけど、それは風では飛ばされないのですか?
C:それは飛ばされないと思う。モノとは違うから、風の影響をうけない。
C:身体の中か、外か、それをどう証明するのですか?
C:X線とかレントゲンみたいのもので見たらいいんじゃない?
C:とったことあるけど、心は写りません。それでは身体の中にあるってことも、ないってことも証明できないよ。
C:なんか、私は外にもあるように思って、自分がすっごく頑張ってつくったものには、心が宿るように思う
C:もしつくったモノにも心が宿るなら、たとえば自分で作ったぬいぐるみはキンチョウしたりドキドキしたりするのかな?
C:どんなに心が宿ってもぬいぐるみは動けないと思う。電池とかあれば別だけど。
C:動物だったら話は別だけどね。

F:となると、動物には心がある??
C:人間に心があるように、動物も生きているんだから、心があると思う。
C:もし動物に心がなかったら、神様が糸で動かしているわけじゃないし、自分で動くのだからあると思う。
C:動物が人間に進化したわけで、進化した人間に心があるから、その前の動物にも心がある。
C:動物は走ったり、ごはんを食べたりできるんだから、心はある。
C:誰かが操ることなく、勝手に動けるものは、心がある
C:動物も求愛行動とかするし、好きとかがあるわけだから心がある。

F:犬とか猫とかに心があるんなら、キンチョウしたり、ドキドキしたりするのかな?
C:犬とかだって、知らない人に触られたときは抵抗したりビクってしたりするから。
C:動物はキンチョウとかはしないと思う。たくさんの人の前で話したりしないし。
C:動物が群れとかで行動するとき、もしはぐれたりしたら、不安になったりすると思う。
C:メスに嫌われないようにしたり、アピールしたりするから、気持ちはありそう。
C:子どもを守ったりするとき必死に守るから、ありそう。
C:じゃあ、全員に聞きます。もし動物にも心があるなら、楽しかったり、悲しかったり、驚いたり、っていう感情や気持ちを外に表現しますか?

F:すると思う人? しないと思う人は?
C:表現すろときがあると思う。伸びをしたりとか、エサを求めたりとか。
C:えっと、動物も心があると思います。感情表現はふつうに獲物を捕らえたりとか襲ったりとか、目で見たりとかするのが心の役目だなって思う。
C:何かの動物の姿を見たときに、オスがメスにフラれたときに、ものすごくさびしそうな目をしていたから。
C:犬が自分のケージから出たいときはアピールしてくるから。
C:ライオンが飼育員からエサをもらえないときはガオーって怒ったりするから。
C:じゃあ、もし動物に心がないとしたら、鳴き声はなんのために鳴くの?
C:犬は例えばうれしいときはしっぽを振るっていうじゃないですか。でもそれは、それを見ている人間が勝手に喜んでいるって思いこんでいるだけで、本当はそうじゃないかもしれない。ただ振りたいだけかも。かゆいとか。
C:人間には理解ができないけれど、動物は鳴き声でお話をしているから、やっぱり心がある。
C:ぼくは動物と人間は違って、やはり人間だけは特別に心があるんだと思う。
C:人間だって、たとえば、先生はみんなの前で黒板に文字書きながらずっと話してるけれど、まったくキンチョウしているように思えませんが、でももしかしたらキンチョウしているのかもしれない。相手がキンチョウしているかどうか、心がどう感じているかは、自分以外の人にはわからないんじゃないかな?
C:動物も人間も、心はありそうだけれど、その心がどう感じているかは、周りからはわからないんだと思う。

F:はい、ありがとうございました。時間がきたので今日の話し合いはおわりです。


※これは小学1年生~6年生までの子どもたち20名が、1つの輪になって話し合った記録です。