なんのために勉強するの?

あらすじ

ある日のリビング、参考書を吹っ飛ばして怒るゆっぴー(中1)。「もう無理!テストにしか役に立ちそうのない勉強ってなんの意味があるの!?」。近くの大人の紹介で、大学の先生に疑問をぶつけてみることに。
  • 中学生のゆっぴーが「なんのために勉強するの?」って親や大学の先生に聞いてたね。どんな意見が出てた?
  • その意見の中で自分の考えに近いものはある? 理由は?
  • みんなが勉強だって思うことはどんなことなの?
  • 勉強とゲームは同じ?違う? 理由は?
  • 学校で勉強したことって将来役にたつのかな?
  • 役にたちそうな勉強と役にたたなそうな勉強ってある? 何が違うんだろう?
  • 将来役立つ以外に勉強の目的はある? それともない?
  • いい大学にいくといい会社に入れるって本当?
  • いい大学・いい会社ってどんなところなの?
  • いったいなんのために勉強してるの?

この動画は中学1年生になった子どもが率直におもった勉強への疑問をもとにつくられています。勉強をしなきゃいけないことはわかってる。けれど、それが本当に何かの役にたつのだろうか? なんのために勉強するのだろうか?
その問いかけに対して、大学や就職のため、もしくはそのために必要な学歴・資格をとるため、という具体的な目的と、勉強によって結果的に得られる問題解決力や、自分の視野が広がることなど抽象的なものを押し並べた内容となっています。
私たちの実際の対話では、後者の意見は難しかったのか広げることができず、役に立つ/立たないか、役に立つならば何の役に立つのか、が論点の中心になりました。
子どもたちの発言にあるように、小学校段階では計算をしたり、字を読めるようになったり、英語を少しでも会話ができるようになったり、と学習内容が実生活に活かせる、ないしはできることが増えていく実感があるからなのだろうと考えられます。
動画の中で表現しようと試みたもの、有用性の有無という観点を超えて、勉強によって得られるものがもっとあるように思えますし、それこそが大切なものだと思うのですが、なかなか難しいです。もっと抽象的な内容を学びだす中学生や高校生たちとこのテーマで対話ができるとまったく違う反応がありそうですね。

F=ファシリテーター(指導者)
C=子どもたち それぞれの発言を指します。

F:「なんのために勉強するの?」中学生のゆっぴーが悩んでいましたね。部活も忙しいし、テスト勉強も大変だって。それぞれどんな考えがでていた?
C:親が言ってた。いい大学にいって、いい会社に入るためだって。
C:カワカミさんが言ってたのは、なんか問題?にぶつかったときに、解決する力をつけるための練習?みたいな。
C:大学の先生が言ってた。将来つきたい仕事につくために必要な資格とか、とる。
C:最後の、よくわかんなかったけど、自分やまわりの人が暮らしやすくなるため勉強する。

F:うん、ありがとう。そうですね。では、この意見の中で自分の考えに近いものはある? 手をあげてもらえるかな?
<それぞれに手が上がり、意見が割れる>

F:いい大学、いい会社に入るためが一番多かったかな。理由を言える?
C:動画に出てきた親と一緒で、ぼくも親からそう言われている。
C:私の夢は、学校の先生でー、そのためには大学に行く必要があるから。

F:動画でも大学の先生が言ってたね。夢をかなえるのに、資格や学歴が必要だって。でもいい大学に行くといい会社に入れるってのは本当なの?
C:うーん。よくわかんない。でも給料は大学出たほうが高そう。
C:大学行った方が将来の選択肢が増えると思う。夢って変わるかもしれないしー、なりたい仕事につけないかもしれない。
C:そうそう。そんときにさ、やっぱ行っとけばよかったー!ってなるよりかは、行っといたほうがいいと思う。
F:じゃあ、将来困らないように勉強しとくってことかな?
C:うん。まぁそんな感じ。ホケン?みたいな。

F:いい大学・いい会社以外のために勉強するって意見とは違う人はどう?
C:動画でもあったけれど、問題?にぶつかったときにそれをなんとかする力をつけるために必要なんだと思う。
F:それは、たとえばどんな問題??
C:だって、足し算引き算ができなかったら、お金の計算できなくて困るし。
C:漢字よめなかったら本とか読めない。
C:こないだ、外国の人がいて。自分が海外いくときは英語が役に立ちそう。
C:もし自分が勉強しなかったら、時計も読めない。勉強の楽しさもやらないと分からない。数も数えられない。人間関係も学べないのでトラブルだらけ。

F:なるほどね。となると勉強することで自分のできることが増えそうだね。それは、みんなが習ってる全部の教科に言えそう?
C:いや、役にたちそうにない教科もあると思う。
F:たとえば?それはどんな教科なの?
C:国語は役にたつ。英語や算数も。
C:でも、図形とかって使わなそう。
C:理科とか社会。役に立ちそうにない。
C:音楽とか図工とか。将来そういう仕事につきたい人にはいいけど、そうじゃないもん。わたし。
F:音楽とか図工はなんで学んでるんだろう?
C:大人が必要だって勝手に決めてる?
C:リズムとか学べるから楽しいじゃん。
C:たしかに。体育は楽しい。

F:ん?となると、親や学校の先生がやりなさいって言うことは将来役にたつと思う?役にたたない気もする?
C:親や先生は私たちより長く生きているから、もしかしたら役に立つことがわかってるかもしれない。だからかな。
C:役に立つかどうかはわかんない。だっていろいろ変わるし。仕事も増えたり減ったりするっていうし。
C:親と私はちがうし。だからわかんない。
C:つうか、役に立つか立たないかは、自分で決めたい。

F:じゃあ質問。もし、親や先生に勉強しなくていいて言われたらどうする?
C:やっぱり将来困るから勉強する
C:自分が知らないことを知ることができる、勉強自体が好きだからする
C:子どものうちは遊んでたい。
C:受験が大変になるからやっぱり勉強するかな。親は責任とってくれないし。

F:やっぱりそうなると、みんなは将来のために今勉強してるってことになるのかな? 勉強している瞬間が楽しいって人はいないの?
C:教科による。ぼくは算数が好きだから、難しい問題がとけたときは楽しい。おもしろい。
C:楽しいって思ったことない。ドリルとかちょーうざい。
C:わかるー。おんなじこと何回もやるし。

F:あーなるほどね。嫌いな勉強ってどんなのなの?
C:国語の音読。何回も何回も同じところ読む。ヤダ。
C:あと漢字の書き取り。
F:じゃあどうやったら勉強が楽しくなりそう?
C:読むとか繰り返すとかじゃないやつ。理科の実験とかは楽しい。
C:ゲーム。チームつくってどっちが早くできるか競うとか。
C:DSみたいなんで勉強できたらいいのに。
C:あ、そういうゲームあるよ。
C:というかゲームと勉強って違うの?
C:ゲームだとすぐ覚えられるときある。ゲームのキャラクターとか動物の種類とか。

F:はい。時間がきたので今日の話し合いはおしまいです。ありがとうございました。

※これは小学1年生~5年生までの子どもたち10名が、1つの輪になって話し合った記録です。