ウソってついちゃだめなの?

あらすじ

彼氏にウソをつかれてションぼりする、しょうこ(35才)は友達二人に相談をもつかける。「どうしてウソついちゃうんだろう?」それから3人の大人たちがウソについてあれこれ考えをめぐらしていきます…
  • ウソをテーマにした動画を見てもらいましたが、動画をみてわかったことを出し合いましょう。
  • 動画の中にはどんなウソが出てきましたか?
  • ウソをついたことはありますか? もしくはウソをつかれたことはありますか?
  • ウソをつかれたときはどんな気持ちになった?
  • ある約束をして、その約束を守れなかった場合、それはウソをついたことになる?
  • ついていいウソと、ついてはいけないウソってあるのかな?
  • エイプリルフールはウソをついていいっていうけれど、どんなウソをついてもよいの?
  • ウソをついて後悔したことってある? どうして後悔したの?
  • どんな理由があったとしても、ウソはついてはいけないって思う? それはどうして?
  • ある人にウソをついたとして、それがバレなかったとしたら、それはウソをついたことになりますか? 
  • ウソは泥棒のはじまりっていいますが、ウソと泥棒になにか関係がある?
今回のテーマは、子どもたちにとってもとても身近なものです。ウソはついたことも、つかれたこともある子どもが多いようですね。

どんなウソをついたのか、つかれたのか、そのときどんな気持ちになったのか、など具体的な経験を出し合うところからはじめるのもいいですね。

私たちの試みでは、子どもたちはウソを多様にとらえていました。
ウソをついていい日もあるけれど、その日だとしても「ついていいウソ」と「ついてはいけないウソ」があり、またウソだとばらせばウソではなく、逆に心に秘め、話さなかったとしたらウソをついたことになる。中には、どんな理由でもウソはよくない、という意見もありました。

それぞれの考えの違いを出し合いながらも、各自が前提にしているものが何か、をせまってみるとよいかもしれません。
「ウソはだめだと親や先生から言われている」からなのか、「実際に自分が後悔した経験からそう思う」のか、「自分が周りからの信頼を失うから」なのか、それとも「神様がみているから」なのか。

子どもたちが周りの大人たちからウソについてどのようなメッセージを受け取っているのか、垣間見ることができると思います。

F=ファシリテーター(指導者)
C=子どもたち のそれぞれの発言を指します。

F:動画を見ましたが、どんな話だったかな? この動画をみてわかったこと、どんなことでもまず出し合ってみようか。
C:カワカミって人が、奥さんにウソついてた。
F:それはどんなウソだったの?
C:奥さんに肩もんでって言われて、いいよって言ったのにもまなかった。
C:はじめからやるつもりじゃないのに、いいよって言った。
F:そうだね。他には?
C:しょうこさんもカレシからウソをつかれていて、怒っていた。
C:カワカミさんは、ウソはばれなければついていいって言ってた。わるいやつ。
F:そうだね。この動画の中ではうそがいくつか出てたと思うんだけど、わかった?
C:はじめからやるつもりがないのにやるよっていったウソ。あとは人を喜ばせるための、ついていいウソ。

F:じゃあ質問です。ウソをつかれたことがある人はいる??
C:何回もある。
C:100回くらいある。
F:どんなウソをつかれたの?
C:動画の人と同じように肩、もみもみしてっていいよってなったけれど、もまれなかった。
C:あ、友達きたよ、って言われて。どこどこ?って答えたら、「あー騙された」って。
C:昼休みのときに、ある友達とずーっと前から一緒に遊ぼって約束していたのに、遊んでくれなかった。
F:遊ぼうって約束していたのに、遊べなかったらそれはうそ?
C:他の友達と約束してたのを忘れて、別の約束しちゃったってときある。ちょっとウソ。
C:それはしょうがないかもしれない。
F:約束したのにそれが守られなかったらどんな気持ちになる?
C:すごい悲しかったそれ。自分が約束してたのに他の子と遊んでるんだもん。

F:2つ約束しちゃったことってある?
C:最初に一緒に帰ろうって約束してて、それを忘れて他の子と約束しちゃったことある。ケンカになった。
C:同じで、本を読み終わったら貸すねって約束してたのに、他の子に貸した友達がいた。しかも1回だけじゃなくて、何回も。
F:それってその子ははじめからウソをつくつもりだったのかな?
C:そんなつもりはなかったと思うよ。
F:となると、ウソをつくつもりはなかったけど、約束が2つになっちゃったときは、それはウソをついたことになるの?
C:一緒になって遊んじゃえばいいじゃん。
C:えーでもそれは無理だった。遊びたい内容が別々だった。
C:約束したけれど忘れちゃったとか、病気になっていけなくなったとか、つかれちゃったとか、あるじゃないですか。だめになっちゃった理由をきちんと言えばウソにならないんじゃない? 謝ればいいじゃん。
C:約束した日にやらなかったとしても、あとででもやればウソにならないんじゃないかな。

F:なるほど。約束をいろんな理由で守れなくても、あとで謝ったり、もう一度約束しなおせば、ウソをついたことにはならないわけだね。
C:ちょっと違うかもしれないけれど、4月1日ってウソをついていい日になってるじゃない。
C:知ってる。それ。おもしろいウソならついていい日でしょ。
C:新聞に書いてあった。でも悲しませるウソはついちゃだめなんだよ。
C:ウソって言っても遊びのウソと本当のウソってある。遊びのウソって「あべこべごっこ」みたいな、逆のこと言うやつ。でも本当のウソって相手を傷つけたりするからダメ。

F:悲しませるウソはついちゃいけないのはわかる気がするけれど、おもしろいウソだったらついていいって本当なの?
C:友達と、おもしろいウソで遊んでて、自分と友達の気分があっててなんか楽しいから、だからそういうときのウソってついてもいい。
C:自分が言われていやなことは人にしちゃだめだから、ウソってやっぱりだめだと思う。
C:もし悪気がなくて、間違えてウソをついちゃったとしたら、それはやっぱりウソになるんだと思う。悲しい気持ちにさせたから。
C:友達においしいジュースだよって言って、めっちゃすっぱいジュース飲ませたことある。
F:友達はどうなったの?
C:笑いながら怒ってた。
F:そのウソはいいの?
C:笑いながら怒ってたんだからOK。
C:それ、エイプリルフールだったら大丈夫。
C:お笑い芸人でたまにウソついてるときあるけど、それはテレビで人を笑わせることが仕事なんだから、いいんだと思う。
C:人が嫌がるウソとかはやっぱりだめ。エイプリルフールの1回だったらいい。
F:エイプリルフールだったらどんなウソでもいいの?
C:だから、笑わせるウソで、しかもウソだってばらせばいいの。
F:これはウソですってばらせばウソじゃなくなるの?
C:ウソですってばらしても、ウソをついたってことは事実なんだから、それはウソです。
C:顔は笑ってても、心の中で傷ついていることもあるかもしれないから、やっぱりウソはウソで、ついちゃいけないんだと思う。
C:ウソつくと捕まるの?
F:ウソをつくと捕まるの?って質問がでましたけれど??
C:子どもがつくような小さいウソとか、人がいやがらないようなウソだったら捕まらないけれど、大人とかわかっててやって、事件になるようなウソはやっぱりだめ。
C:もし子どもがお財布をとって、とってないってウソをついたとしても、お財布をとったのは事実だから、子どものかわりに親が捕まる。
C:それってウソじゃなくて、泥棒じゃん。
C:ウソは泥棒のはじまり。
F:じゃあ、道端で100円を拾いました。警察に届けようかなと思ったけれど、時間がなくて届けられませんでした。拾ったことを誰にも伝えなかったら、これはウソ?
C:それはだめー!!!
C:人に聞かれて、拾ってませんって答えたら、それはウソ。
F:じゃあ、人に聞かれなかったら?
C:お金には名前書いてないし、持ち主がわからない場合だってあるじゃん。誰にも言わないかも。
F:となると、ウソには2つ違う考えがあるってことになるね。1つはおもしかったり相手を喜ばせるようなウソでも絶対ついちゃだめっていう意見。もう1つはエイプリルフールやおもしろいウソだったら大丈夫ってする意見。 ぜったいだめだと答えた人たちはどうしてそう思うの?
C:ウソはついちゃダメって親とか先生とかに言われているから。
C:だれにもばれなかったとしても、神様が見てて、天国で叱られるからやっぱりだめ。
C:もしウソをついて、ばれちゃったら、友達との信頼関係が減ってしまうから。それに、友達を傷つけることになっちゃって、もう友達じゃないって言われる。
C:なるべくつかないほうがいいし、気をつけていれば、ウソはつかない。けど、ついちゃうときもある。
C:一回ウソをつくと、そのウソを正しいことにするために、また違うウソをつかなきゃいけなくなって、どんどん自分がつらくなる。ウソをつきましたって、言えちゃったほうが楽。小さいウソでもつかないほうがいい。
C:私も1回だけウソをついたことあるけど、最後にね、「あー、わたしウソつかなきゃよかったな」ってとても後悔したことがある。

F:はい。ありがとうございました。時間がきたので今日の哲学対話を終了します。ありがとうございました。

※これは、小学1〜3年生の子どもたち8名が輪になって行った哲学対話の記録です。