不安になったときどうしてる?

あらすじ

夏休みあけ、次の日に自由研究の発表をするつーぼー(小学5年生)。
発表を考えると不安で不安でしかたない。大人って不安になったときどうしてるの? ふっと浮かんだ疑問を大人たちにぶつけてみます。
  • 動画では、小学生のつーぼーが、自由研究の発表について悩んでいました。不安で緊張してざわざわする。そんなときどうしたらいいのって大人たちに聞いてみました。どんな答えがありましたか?
  • その中で自分の考えやこれまでの経験で近いものはありますか?
  • とっても不安に思うときって、どんなときですか?
  • 誰かに相談すると答えた人に聞きます。それは誰に相談しますか?
  • 内容によって相談する相手をかえることはある?
  • 相談したらどんなふうに答えてもらったの?
  • 学校にいきたくないなって家の人に相談したことはある?
  • 友達がとても困っていて不安そうにしていたらどうする?
  • 自分がほっとできる場所ってある?
このテーマは、身の回りの世界のことについてあれこれ考えをめぐらせるというよりも、「自分自身の内面や過去の行動を振り返ってみること」をねらいとしています。
自分自身が不安で仕方ないときや問題にぶつかったとき、どんな風にその気持ちをやわらげたり、もしくは乗り越えようとしたのか、誰かに手助けをしてもらったのか…子どもたち自身の経験を出し合ってみました。

個々の体験や経験ですので、自由に話してもらいながらも、「誰から?」「誰に?」「どんな?」「もう少し詳しく教えて」など、具体性を引き出すような問いかけをしながら進めていくとよいかもしれませんね。

私たちの試みでは、偶然にも(偶然でないかもしれませんが)、男女の間で行動や考えが大きく分かれていることがわかりました。不安や問題に直面したとき、男の子は個々で乗り越えようと考え行動し、女の子は誰かに相談したり一緒に行動することで乗り越えようとするようですね。

もしかしたら普段の生活の中で、保護者をはじめ周りの大人たちからの「言葉かけ」が男女によって異なることに起因しているかもしれません。そのあたりどんな風なメッセージをもらって生きているのか突っ込んで聞いてみたかったのですが、あえなくタイムオーバーとなりました。

行動や経験を出し合いながらも、兄・弟、姉・妹、高学年・低学年、男女…など、因子(属性)の共通な人が実は同じ行動をしていたとなったら、対話を深める新たな問いかけが生まれます。子どもたちの属性を確認しながら進めてみるのもよいかもしれませんね。

F=ファシリテーター(指導者) 
C=子どもたち のそれぞれの発言を指します。

F:動画の中で小学生のつーぼーが、悩んでいました。次の日、自由研究の発表をしなくちゃいけない。不安で緊張してざわざわしていて落ち着かない。そんなときどうしたらいいのって。それに大人たちがいろいろ答えていました。どんな答えがあった?

C:だれもいない図書室で本を読んだりして心を落ち着かせる
C:お母さんとか誰かに相談する
C:学校を休んで、いやなことから逃げる
C:自分を信じて、がんばる。
C:発表の練習をしまくって、いやなことに立ち向かってみる。

F:そうですね。みなさんが、次の日いやーなことがあって、でもやらなきゃならなくてってときどうしますか? 一番近い答えに手をあげてください。

C;やっぱり練習する。たくさん。めんどくさいけど。きちんとやんないと先生から怒られるし。
C:私は、本を読むのに似てるかな。ゲームに集中して、いやなことから逃げる。
C:不安だけど、漫画を読む。
F:ゲームや漫画に集中してると、ちょっと不安がなくなる?
C:そうそう。
F:家の人に話を聞いてもらうって人はいる?
C:そうしたいけど、うちの親は聞いてくれない。お姉ちゃんに話す。
F:どんなふうに答えてくれるの?
C:お姉ちゃんは「ファイト!」って言ってくれる。そうすると頑張ろうかなって思える。
F:学校休んじゃおうって人はいる?
C:無理。親が許してくれない。
C:休んだとしても、たぶん次の日学校に行ったとき一人だけ発表させられる。もっといやだ。

F:学校行ってて、明日行きたくないなって思うほど嫌だなって思うことはある?
C:とくにない。別に。
C:ちょっとある。
C:不安なことがあるときは早めに先生に言う。忘れ物とか。言わないと怒られるし。

F:逆に誰かから相談されたことはある?
C:ある。たとえば友達にラブレター書きたいって子がいて、一緒に書くの手伝ったりとか。
F:相談にのってあげたらどう答えてくれたの?
C:話きいてもらって「どうもー」って。

F:自分が困ったり、不安なときって誰に相談するの? 
C:一番仲良しの友達。
C:家族、親。
C:まったく話さない。誰にも。
F:どうして話さないの?
C:えー、一人でもなんとかできるから大丈夫。
C:自分で解決できるし。

F:たとえば、朝起きて、気がついたらおしりからしっぽが生えてて、自分じゃどうしようもないってことが起きたら誰かに話す?

C:あはは。えーと、友達。あと、家族に言う。
C:誰にも言わない。隠す。あとで自分でそのしっぽを切る。
F:自分で切るの大変そうじゃない?
C:じゃあ折りたたむ。
C:テープでとめるとか。
F:大人の人でそんなこと起きたらどうする?
F:スマホで調べる。「体 しっぽ 生える」って検索する。
動物病院にいくかも。もしくは人間の病院の皮膚科? 
F:家族に相談するっていう人は、家族のだれに聞くの?
C:お母さん。
C:お父さんとお母さん。両方。

F:どうしてお母さんに相談するの?
C:学校休ませてもらうため。学校に連絡するのがお母さんだから。
F:友達に相談するって人は友達に何ていうの?
C:ちょっと病院に一緒にいくの、付き合ってっていう。
F:みんなの意見を聞いていて、重要なことに気づいちゃいました。親や友達に相談するって人は、みんな女の子。誰にも相談せず自分で解決するって言った人はみんな男の子です。
C:あ、本当だ。

F:どうしてだろう? 男の子のみなさんはどうして相談しようとしないの?
C:え、だって、だいたい自分でなんとかしなさい!って言われるから。相談しても返ってくる答えがわかってる。
C:怒られるまえに自分でなんとかする。忘れものがあったとしたら先生に言うまえに、友達に借りとく。
C:自分が困ってるときって、だいたい悪いことをしたって自分でわかってるときだから。話してその悪いことがバレるくらいだったら、話さずになんとかする。それが、あとでバレてめっちゃ怒られたことある。泣いた。

F:なるほど。でも分かるかも。親がさ、自分のことで心配してるの嫌なんだよね。なんか親に悪いなって思うっていうか。
C:あー、そうそう。

F:逆に女の子のみなさんはなんで相談しようって思うのでしょう?
C:なんか別に困ったことだけじゃなくて、1日にあったことをふつうにしゃべってる。困ってることとか悩みとかも一緒に話してる。
C:元気ないとき、親から先に聞かれる。どうしたの?って。それで答える。
F:でも、親には言えないことってないの? 
C:別に。
C:ガチで好きな人は言えない。
F:お父さんとお母さんだったらどっちに相談するとかはあるの?
C:うーん、どっちかっていうとお母さんのほうが多いけど、お父さんのほうがやさしかったりする。
C:内容によって、相手を変えるかも。自由研究とかスマホのこととかはお父さんのほうが詳しいから。

F:はい。時間がきたので今日の哲学対話をおわりにします。ありがとうございました。

※この対話には、小学1年〜5年生までの子どもたちが9名が参加し、1つの輪になって哲学対話を行った記録です。